【本紹介】サン・テグジュペリ 人間の土地・夜間飛行
星の王子様でお馴染み
ちょっと出川哲郎に似たこの人
作家兼パイロットだったのです。
皆様お馴染みの星の王子様を書いた人です。
星の王子様では今でも尚人々に知られる超名言が連発されていますが、たとえば
肝心なことは目に見えない
愛情は時間をかけて育てるもの
君がバラのために使った時間が長ければ長いほど、バラは君にとって大切な存在になるんだ
などですかね。
あとは
忙しい日々を送っていても、実は本当は何がしたいか分かってない
こういう大人って多いのではないでしょうか。
私もこの名言に当てはまる1人ですね。やけに生き急いでいるので(笑)
私は最近この本を読み直しました。
子供の頃に朝読で読んだ時とはまた違う感覚になれた気がします。
サン=テグジュペリですが、欧州から南米間を郵便飛行の飛行士として行き来していました。このおかげで彼は異常なほどにサハラ砂漠に非常に愛着をみせ、多くの作品でサハラ砂漠を舞台にしています。
というかこの人飛行機大好きなんですよね多分
ひしひしと彼の仕事愛をどの作品でも感じました(笑)
私はこの著作のお陰でこれらの地域に非常に関心を持ちました。
宮崎駿もこの人の大ファンらしいです。
サン・テグジュペリは星の王子さま以外にも数々の不屈の名作を残しています。
有名なのでいうと
南方郵便機
戦う操縦士
人間の土地
夜間飛行
などでしょう。
人間の土地。
これは私のかなり乏しいボキャブラリー力と読解力では集中しないと理解することができませんでした。
実体験に基づかれた作品です。
サハラ砂漠に不時着したり、過酷な岩石の山に不時着したり、着陸後に訪れた消えかけている町や不思議な一家のことだったり、 開放された奴隷にフォーカスしたり
そこで何を考えたかが難解な比喩などを交えて描かれています。
これは翻訳家のおかげなのかもしれないけど、とにかくこの本の比喩が大好きです。
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都会とは人間の住む蟻の巣
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とか。
この本の終盤には人間について描かれます。
終盤というより始終ずっと本質を突くようなことを言っています。
人間も大地も地球も精神もひっくるめてみたいな。
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いわばぼくらは、この作りかけの家にわずかに住みついたばっかりなのだ。人間相互の関係も、労働の条件も、風俗習慣も、すべてがぼくらの周囲であまりにも急激に変化した。
(…)
今日の世界を把握するに、ぼくらは昨日の世界のために作られた言葉を用いてわけだ。
教養とは公式を鵜呑みにするものではない
過去の哲学者たちが先達もおらず、周囲からの理解もないなか、それでも自己の考えを深めていったように
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先代が作り上げてきた知識が今私達の当たり前のようになっていると思います。
私達には偉人よりも知識があるわけです。
では私達が独自に築くものは?
とかいろいろ考えさせられます。
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あれほど多くの星の中で、 早朝の食事の香り高いひと椀を、 ぼくらのために用意してくれる星は、 ただ一つこの地球しか存在しないのだった。
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奇跡を感じさせてくれるこの人の名言は素敵ですよね。
人との繋がりなくしては生きていけないとか
時間の流れについてだったり
今の社会に警鐘を鳴らしたり
色々つまった小説です。
ちょっと難しいから初心者には向かないかもしれません。
分からないけど。
夜間飛行。
この表紙は宮崎駿さんが描いたようです。
私的にサン=テグジュペリの作品で1番読みやすかったです。
これは短編小説ですね。
ページは100ページくらいかな。
こちらの本、当時の夜間郵便飛行は今みたいに命懸けだったことがまず前提です。
未知のものと戦わなければいけないひとたちの尊厳を確証する勇気に満ちた行動を描いた小説です。
主人公は目的のためには同情をも禁じる厳格な男で、憎まれようとも夜間飛行を成し遂げるためにとにかくつねに厳しくいます。
ちょっっとミスしたらクビみたいな。笑
何故かと言うに彼は夜間飛行、飛行士の命、郵便事業全て背負っていたからです。
未来を託されているわけです。
彼にとって一番優先しなければいけないことはこれらの成功でした。
けれど心の中では常に葛藤していました。
命懸けの仕事をしている人たちのことをいつも考えているような人です。
ただ同情は目的を達成するには不必要なもの。
信念を曲げないかんじだね。
とにかくこれもまた私の好きな自然の描写がとてもよく描かれていて、例えを言いたいけど多過ぎるのでここでは言いません。
とにかく日本語とか表現が大好きなのでこれを選びました。
(翻訳家の堀口大學さんが凄い)
この作品はたくさんのシーンが章ごとに散りばめられているのですが、
夜の数時間の出来事を書いたもの(多分10時間とかそこいらへん)なのです。
一夜物語です。
この作品では色々な飛行シーンがかかれています。
飛行する場所によって全然違うんですよ環境が。
静かで穏やかな飛行を送っている人もいれば
嵐の中にいる人もいたり、
急に来る強くて激しい暴風の中に突如として飲み込まれる人もいる
みたいな
そこでのリアルがなんかもう
小説読んでて情景わかるくらいリアルにかかれてます
航空業を自分の人生としてきた人に辞職を命じたり
暴風の中に入り込んで行方不明になる1人の勇敢なパイロットの妻が
心配になって主人公のところへ夫の安否を確認しに行ったり
主人公の心は揺れに揺れまくります。
自分のしていることは正しいのか…?
と、葛藤するのです。
操縦士一人ひとり皆信念を持って夜間飛行をしている。
この操縦士たちの行動によって、後世の人々の文化が築かれ、そして操縦士たちもまた自 らを永遠の存在へと変貌させていくのです。
ネタバレしちゃいそうなのでこの辺にします。
冒険
圧倒的自然
不屈の精神
などを感じることができる一作です。
私は仕事で一生パソコンをいじってるから
せめて朝の電車や夜寝る前はブルーライトやめとこって思って本を読んでる次第です。